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餌付けによる誘引

餌の種類

イノシシの食べ痕(米ぬか)

イノシシ、シカの捕獲では、安価で手に入りやすい米ぬかが多く使われていますが、地域ごとに獲物が食べ慣れている餌を使うのも効果的です。柑橘の被害が多い地域では、商品にならない果実等を活用します。


餌の置き方と確認

最初のうちは、わなの中には餌を撒かず、わなの外のみに置くようにします。外の餌を毎日食べるようになったら、わなの入口付近から徐々にわなの中に餌を置く位置を移動し奥へと誘導します。餌を最初からわなの中だけに入れたり、逆にわなの外に餌を撒き続けていると、獲物の警戒心は解けず、なかなか捕獲に至りません。

警戒し入口の餌だけを食べた痕

餌の量は、一度に大量に撒くと腐るため、獲物が食べきれるだけの量を少量ずつ撒くようにします。いったん獲物が餌付いたら、毎日新鮮な餌を設置し、わなを安定

した餌場だと学習させます。
イノシシやシカは、舐める様にきれいに餌を食べるため、食べ残すタヌキやハクビシンなどと区別できます。わなの入り口付近の地面をクワなどで軟らかく耕しておくと、足跡から獲物の寄り付き状況や大きさを確認しやすくなります。



参考動画(タイトルをクリックください。)
  • 餌付けによる誘引の様子
    ①警戒心が低い幼獣は比較的早くわなに進入しますが、親がすぐに進入することは稀です。(西予市野村町)

  • ②イノシシは血縁関係にあるメス同士でグループを作り子育てをするため、大きな群れになることがあります。
    (西予市野村町)

  • ③柑橘の被害を受けている地域では、規格外品の橘類を餌にしています。イノシシは前足と鼻で簡単に皮を剥ぎます。特に柑橘のない時期には、強い誘引効果を発揮します。(西予市三瓶町)

  • ④中には、おりの入口の餌しか食べず、入口付近を出入りする警戒心が非常に高い個体もいます。
    (西予市野村町)